癒し効果
緑化することにより癒し効果が得られます。
緑化の持つ癒し効果を紹介します
病院の屋上緑地が要介護高齢患者に及ぼす生理的リラックス効果
第4回屋上緑化講演会「都市緑化の癒し効果を検証する」:松永慶子医師講演より
〇研究の背景
- この20年間における急速な高齢化→認知傷害が出ても医療関係は閉鎖的
- 屋上緑化技術の進歩→屋上緑地に患者さんが3分間で到達できる。
- 緑の効果の科学的要素はまだ解明されていない。
〇実験デザイン
- 生体ホルモンの日内変動を考慮し、同一被験者
同一時間帯に実験場所2ヶ所で計2日間行い比較
〇実験場所・被験者
- 実験場所…屋上緑地・屋外駐車場(対照)
- 被験者30名(要介護高齢患者)
- 最高95歳、平均82歳 普段介助する職員が介助し統一の声かけ
〇生理指標・心理指標
- 緑化による1日の節電効果(夏季)は都市緑化技術開発機構とほぼ同じ結果が得られた
- 生理指標→心拍変動性(HRV)…ポータブル心電計にて心拍を12分間連続記録
- 最大エントロピー法により低周波成分(LF)と高周波成分(HF)に分け、交感神経活動[LF/(LF+HF)]と副交感神経活動[HF]を解析
- 心理指標→簡易感情尺度(SD法)…7段階(語彙)に分け数量化
〇結果
屋上緑地において屋外駐車場と比較して
- 生理的効果→リラックス指標である副交感神経活動の亢進とストレス指標である交換神経活動の抑制
- 心理的効果→うつの緩和、攻撃性の低下、笑顔で安心な気分
病院の屋上緑地が要介護高齢患者に及ぼす生理的リラックス効果(概論)
病院屋上森林が要介護高齢女性患者に及ぼす主観的リラックス効果-簡易感情尺度を用いて-
心の健康に役立つ緑地、そして建築の緑
第4回屋上緑化講演会「都市緑化の癒し効果を検証する」:飯島健太郎先生講演より
〇心の健康とは?
- 心因性の症状が発症する要因…生活環境、生活習慣等→自助的に解決するケース、医療的対応による治療
- 心理は生理に働きかける→自律神経系、内分泌系、免疫系に作用
- 当たり前だと思っている生活空間だが、実は異質
- 都市生活者の半数以上がストレスを実感している
緑地の効用とその接点
〇知覚対象としての緑と心理的効用
知覚対象としての緑の効用研究
- 心理的診断→負の感情の抑制効果
- 内分泌系→ストレスホルモンの低減効果
- 知覚の場である脳反応(脳波)→α波優位
- 自律神経系効果→副交感神経優位の反応
- 免疫系効果→NK細胞や免疫グロブリン増加
〇園芸作業とPOMSによる診断
緑地の心理的効用の重要ポイント
- 知覚効用
- 作業活動効用
- 場の提供
園芸作業の心理的効用
- 訪問介護員研修受講生(20〜60歳)を被験者
- 座学30分→POMS診断→座学120分→園芸作業(屋内30分)→POMS診断→園芸作業(屋外30分)→POMS診断
- 作業後「緊張、不安」「抑うつ、落ち込み」「怒り、敵意」「活力」「疲労」の項目の数値低下
※POMS:感情プロフィール検査…「緊張、不安」「抑うつ、落ち込み」「怒り、敵意」「活力」「疲労」「活気」の6つの感情尺度変化