海外事例

ドイツ

グローバルな視野で見ると1960年代のドイツから屋上緑化が普及し始めました。現在のドイツでは年間1,000万㎡程度の屋上緑化が施工されており、全土の陸屋根の約10%に屋上緑化が施されていると言われています。そして、現在の年間施工面積の80%以上が薄層型屋上緑化(粗放型)で、その大多数がセダムを主体とした緑化になっています。

我が国の薄層屋上緑化は、1996年にドイツからセダムを用いた緑化技術の導入をしたのが本格的な始まりです。その後都市環境の改善効果が認められ、行政の推進策を受けるなどして着実に施工面積を増加させていますが、今後更に本格的な普及が望まれています。

ドイツの事例:セダムを主体とした薄層屋上緑化

ドイツでは、セダムを主体とした粗放型の薄層屋上緑化が多く見られます。
駅舎の緑化や、太陽光パネルとの共存も見られます。自然の緑が破壊されるのを補うために条例により屋上緑化が義務付けられている地域もあります。

 
オペレーティブクリニケン   施工面積:5000㎡、粗放型:セダム5種、土壌厚:8cm
 
テレコムホテル   施工面積:3000㎡、粗放型:セダム5種・薬草20種、土壌厚:8cm、メンテナンス:年2回除草
 
旧ミュンヘン空港跡地メッセ会場   施工面積:14000㎡、粗放型:草本類35種、土壌厚:15cm
 
ウェルナウ駅舎   粗放型、土壌厚:6cm
 
プライマリースクール:ソーラーパネル併用   施工面積:1700㎡、粗放型:セダム6〜7種、土壌厚:6cm
 
郵便配送センター(条例による緑化)   施工面積:24000㎡、粗放型、土壌厚:12cm、メンテナンス:年1〜2回除草

粗放型と管理型の併用

大面積の緑化には粗放型と管理型が併用されているケースが多くあります。管理型部分と粗放型部分をうまく組み合わせています。

 
   
 
ハイデルベルグ州立病院   施工面積:18000㎡、粗放型・管理型:草本・木本、土壌厚:10〜23cm、メンテナンス:年2〜3回除草、枝切
 
   
 
ガイスリンゲンショッピングセンター   施工面積:6000㎡、粗放型:セダム・草本・小型の木本(土壌厚:6cm)、管理型:草本・花・樹木(土壌厚:25〜80cm)

個性溢れる庭園型緑化

管理型には個性溢れる庭園型緑化が多く見られます。

 
エルステルロフツ   施工面積:1000㎡、管理型:木本類を含め多品種、土壌厚:40〜50cm、自動灌水
 
トーマスホイマン社の誇る屋上日本庭園   管理型:松・竹・藤・紅葉樹、土壌厚:20〜30cm、盛土60cm
 
スターライツフィットネスセンター   施工面積:300㎡、管理型:セダム5種・草本類・ハエマツ、土壌厚:20cm、メンテナンス:年3回
 
   
 
ミュンヘン市立ボーゲンハウゼン病院   施工面積:12000㎡、管理型:落葉が少なくメンテナンスが楽な種を選定、屋上など平面部分は全て緑化

屋上緑化とともに、緑溢れるドイツの街並み

家々の隙間まで、ドイツの街は緑に溢れています。

 
   
 
ゲノハンス信用金庫   施工面積:900㎡、管理型:草本・木本、土壌厚:10〜40cm、メンテナンス:年5回除草、枝切
 
アパート   陸続きの屋根、建築物全体が丘の様
 
ハイデルベルク州立銀行周辺    

勾配屋根への緑化も多い

セダム緑化は軽量なので、勾配屋根への緑化も多く見られます。

 
   
 
ローマ遺跡ミュージアム 粗放型:セダム20種、勾配:20°
 
フォルクスバンク    
 
アパートの勾配屋根   アパート周辺の凹地パイプ雨水浸透